7月の一時帰国について


先日、こっそり一時帰国した。友人には誰にも連絡せずに。まあ連絡するのは義務ではないのだから「こっそり」っていうんは可笑しいけれど、とにかく今回は実家に直接帰った。

今回の帰国は、思いがけぬところで思いがけぬ人に会うことが多かった。上海空港ではよく行くクラブのママとばったり出くわした。おそらく常連さんが帰国するか、再入国して迎えに来たんだろう。空港からはタクシーで3時間かかるところなので中々会うものではない。

いつもはJALで帰っていたのだが、今回はANAにしてみた。エコノミーが満席で、運よくビジネスクラスに乗れた。そこでも一緒の現場で仕事をしている某協力会社の社長さんが僕の目の前の席に座ろうとしていた。いつもはJAL関空に帰国していたので、同じ飛行機に乗るというのは中々ないことなのだが。

日本はちょうど前日に観測史上7月では最大規模の台風が通り過ぎたばかりのせいか、空気が澄んでいた。いや、中国から帰る時はいつも日本の空気の澄んでいることを再実感させられているか。

帰宅すると、父が泥酔していた。帰るまで気づかなかったが、連休最終日だったのだ。父は連休になると決まって、手持ち無沙汰になり酒を飲みすぎるのだ。何だか憂鬱な気分になった。

父が飯はあるというので台所を確認してみると、ご飯、味噌汁だけ準備してあった。冷蔵庫の中でおかずになりそうなものは、たらこのみ。何かメインディッシュを近所のスーパーで買おうと思い自分の車のエンジンキーをひねったがエンジンがかからない。バッテリーがあがっている。しょうがないのでたらこをメインディッシュにご飯、味噌汁を食した。父が僕のためにわざわざ酒屋に買いに行ってくれた日本酒を飲んだ。何だか憂鬱な気分になった。

次の日は自分の会社に出張精算費を取りに行った。それだけで一日過ぎた。夕食は兄の友人がやってるラーメン屋で母と2人。

その次の日は、高校時代からの音楽関係の知人が始めたという喫茶店に初めて顔を出した。僕の留学直前に会ったきりだから、もう3年以上も会ってなかった。幾分痩せたような気がした。今のところ、まだまだ商売は厳しいようだけれど、長年の夢だということを知っているので感慨深かった。彼の部屋で、大学受験が終わった頃だったろうか、彼に淹れてもらったコーヒーの、苦く深い香りを思い出した。あれからもう10年か。今回のコーヒー一杯目は、スマトラインドネシアだ。二杯目は、ケニア。どちらも心地よい苦味、芳醇な香り。母にお土産としてケニアのコーヒーを買って帰った。夜、兄の家へ姪っ子を見に行く。生まれた時の2倍以上に巨大化して、笑うようになった。可愛かったなぁ。

そして次の日、再び中国へ。いつもと同じように空港の回転寿司でちょっと贅沢を。機内に乗り込んで自分の座席を探していると、そこにまたも思いがけぬ人の横顔が。「おじさん」と声をかけると、やはり父方の叔父だった。叔父の仕事は菓子の営業で、海外出張は基本的に無いはず。訊くとプライベートで友人とゴルフをしに行くところだという。偶然がこうも重なると、何かそこに意味があるのではないかと考えてしまうが、特に無さそう。


近頃は色々な小説を読んだり、漫画を見たり。のんびり過ぎる毎日。
最近見たもの、読んだものをリストアップ。

のだめカンタービレ(ドラマ版) ←何となく、海外での寂しさを紛らすために頭使わずに笑えるものが見たかった。

グミ・チョコレート・パイン ←空港の文庫コーナーに有ったグミ編とチョコ編を購入。その次の一時帰国では空港の別の本屋でパイン編を購入。非常に良かった。それにしてもセントレアの書店員はオーケンファンが多いのか?

Dr.コトー診療所(1巻〜19巻) ←ドラマも見てなかったし、あんまり興味なかったのに読み始めたら止まらない。面白いです。エバト医師はJohn Lennonがモデルだよなぁ。

或阿呆の一生 ←青空文庫から。どうなんやろ。。。俺にはよーわからんなぁ。
人間失格 ←中学生か高校生の頃文庫本を買ったが、重すぎて半分ぐらいしか読めなかった。今回、青空文庫で読んだんだけど、すいすい読めた。読み物としては結構面白いかも。深刻に読んではいけない。

↑鬱でもないのにこんな2作品を選択するんは良くないと思ったが、思春期の頃のように小説の暗さに同化しなくなった自分にびっくり。